シニア就業へ説明会 企業と連携し初 静岡県沼津市

沼津市は2017年度、民間企業と連携した高齢者の就業支援に乗り出した。コンビニエンスストア大手セブン-イレブン・ジャパンによるシニア採用に向けた仕事説明会を静岡県内で初めて開催したほか、就業意欲の高いシニア世代と人手不足の業界をつなごうと、企業・団体へのアプローチも開始した。
同市本の市高齢者就業センターで4月13日に開かれたセブン-イレブン・ジャパンの仕事説明会には、60~70代を中心に男女30人が集まった。同社の担当者が千葉県などで先行している1日2~3時間といった短時間のシニア雇用の実例を紹介。「商品の宅配サービスや清掃など、できることから気軽に取り組んで」と呼び掛け、説明会後は地域別に個別面談も実施した。
(中略)
同センターは08年の開所以降、委託運営する市シルバー人材センターが技能講習会やセミナーを実施してきたが、説明会は初の試み。市長寿福祉課の担当者は「今後は農業など高齢者が取り組みやすい職種からマッチングを図っていきたい」と話している。
(静岡新聞 5月2日)

全国各地の自治体で高齢者への就業支援が活発に行われているが、沼津市のように、自治体が主催して、ひとつの企業や業界に特化した説明会を開催するケースも出てきている。説明会で詳細な情報を共有して、求人と求職のマッチングを図るのは、求人する企業と求職者の双方にとって良いことだ。

書面の求人票よりも説明会での説明の方が、業務や求人する企業の求める人材像などを求職者へより正確に伝えることができる。一方、求人する側も求職者の要望を生の声で把握することができる。

特に高齢者の場合は、個々人の事情によって適した勤務形態が異なるだけに、こうした緊密なコミュニケーションの機会を増やすことが、質の高いマッチングにつながる。今回の沼津市のイベントも参加者には、ハローワークより理解が深まった、と好評だった。今後は、多様な業種に関する説明会が各地で継続的に開催されるようになるだろう。