鳥取県が企業誘致などと連動した独自のハローワーク

鳥取県は今夏にも、地方版ハローワークを開設する。誘致企業への人材紹介や移住者獲得、子育て支援など県の施策と連動した職業紹介を軸に据える。短時間だけ勤務する正社員など積極的に扱い、女性や高齢者の社会進出にもつなげる。関連経費約1億3000万円を2017年度予算案に計上する。雇用面で県の施策を充実させ、地域経済を活性化させる。
(中略)
県内の雇用環境の多様化を促すことも狙いの一つだ。例えば、県内企業にインセンティブを付与し、短時間正社員や地域限定社員の導入を促す。子育て中で短時間勤務を希望する人や高齢者らのニーズに応じた雇用機会を増やす。やむを得ず非正規雇用で働く「不本意非正規」の若者らの正規雇用も後押しする。
(日本経済新聞中国版 2月9日)

企業誘致などによって求人が増えた場合、新卒だけでなく、主婦や高齢者など多様な人材の活用によって、地域の雇用を拡大することは、進出企業にとっても地域経済にとっても人的資源を有効活用する上で重要な施策だ。

また、大都市に居住する地方出身の高齢者の中には、第2の人生は故郷や気に入った地方でと考える人々もいる。島根県の地方版ハローワークは、そうした人々に地方での就業機会を提供することにもつながり、人口増加にも貢献する。

このように、企業誘致に際しては、短時間正社員や地域限定正社員をフルタイム正社員の特別な補完として捉えるのではなく、短時間正社員や地域限定正社員などとフルタイム正社員を組み合わせたひとつのパッケージとして人材供給し、さらに地域を拡大して求職者を集めることが重要だ。こうすることで、高齢者や女性の就労は一般化し、その活躍の場はさらに拡大するだろう。