高年齢者雇用開発コンテスト 運送会社が大臣賞

 高齢でも働ける職場づくりを進めている事業者を顕彰する国の「高年齢者雇用開発コンテスト」で、佐賀市諸富町の陣内運送(陣内正明社長)が厚生労働大臣表彰(特別賞)を受けた。人手不足や荷受量の減少を克服するため、定年制を撤廃して倉庫業などに事業を拡大。ベテラン社員がノウハウを生かせる職場を広げ、経営の多角化につなげている。
(中略)
一律60歳としていた定年制は8年前に廃止した。長時間労働のイメージが強い運転手を中心に、人材確保が難しくなり、社員の高齢化も進んできたためだ。

消費低迷などで主力の家具メーカーからの受注が減る中、伸長する通販業者などから荷物を預かり、検品やこん包を行う倉庫業の部門を新たに立ち上げた。全国に配達網を持つ強みを生かして受注を伸ばしており、体力面などで運転勤務が困難になった高齢社員が事務作業に当たっている。

基本的には60歳以上もフルタイム(8時間)だが、短時間勤務も認めている。ドライバーを長く続けられるように、運転時間などが確認できるシステムを全車に導入。休憩時間の確保や作業量を低減するための指導に役立てている。
(佐賀新聞 10月18日)

高齢者の労働参加の機会を拡大するには、それぞれの高齢者の体力や能力に応じて多様な仕事や勤務形態を用意する必要がある。業務の幅が限られる中小企業では難しい面もあるが、陣内運送は倉庫業を始めたり、ドライバーの短時間勤務を認めたりと、独自の工夫を積み重ねてきた。今回の厚生労働大臣賞受賞は、それらの努力が評価された結果だろう。

今、運送業界ではドライバー不足でトラックの稼働率が低下している。荷物もトラックもあるにも関わらず、ドライバーが確保できなくて輸送できないことも珍しくない。ドライバーの待遇改善とともに、高齢者でも勤務を続けることのできる人事制度と運行計画を整備することは、単に高齢者向け雇用対策としてだけでなく、運送業全体の効率化と付加価値向上という観点からも重要だ。