65歳超雇用継続に助成金新設へ 年内にも開始

厚生労働省は、65歳を超えるまで継続して雇用する企業に対する助成金新設の方針を固めた。2017年度予算の概算要求と今年度補正予算案に必要経費を盛り込み、年内の開始を目指す。また、終業と次の始業の間に一定時間をおく「勤務間インターバル(連続休息時間)」制度を導入した中小企業への助成金も設ける方針だ。いずれも政府が進める働き方改革の一環。

新設するのは「65歳超雇用推進助成金」(仮称)で、定年の引き上げや廃止、非正規労働などでの継続雇用によって65歳を超えて意欲のある高齢者を引き続き雇用した企業に、コンサルタント料などの必要経費60万〜120万円を助成する。17年度概算要求と今年度補正予算案に計34億円を盛り込む。現在は25年度までに、希望者全員を65歳まで雇うことが高年齢者雇用安定法で義務付けられている。
(毎日新聞 8月24日)

60万から120万円の助成金が、企業にとってどの程度のインセンティブになるかは疑問の余地もあるが、ともかく、政府が65歳超の雇用促進へ向けて、予算の裏付けのある具体的な政策を打ち出しことには意義がある。

最初にこの助成金で潤うのは、コンサルタント料を受け取るコンサルティング・ファームかもしれない。しかし、様々な企業で65歳超の雇用への取り組みが始まることで、どのような働き方が望ましいかを多くの企業が検討することになり、事例も集積されるだろう。

こうして得られた知見を社会的に共有する枠組みを国が作れば、各企業に与えた助成金以上のリターンを社会全体に及ぼすことができる。