65歳以上雇用へ法改正、未来投資会議で検討

政府は5日、安倍晋三首相を議長とする「未来投資会議」を開き、成長戦略の議論を始める。柱には第4次産業革命と雇用、地方の3つのテーマを据える。雇用改革は継続雇用年齢を65歳以上に引き上げる法改正を検討する。高齢者向け自動車運転免許を新設するなど、少子高齢社会に合わせて規制や慣行を見直す方針だ。
(日本経済新聞 10月5日)

いよいよ未来投資会議で雇用改革の議論が始まった。65歳以上まで継続雇用するための法改正は、関係者の利害が絡み合い、結論を得るのは簡単ではないかもしれないが、現行の規制や慣行を国家として俯瞰的、長期的視点に立って見直すことは有意義なことだ。

加えて、未来投資会議の目的が、単に雇用制度の改革にあるのではなく、日本の未来へむけた成長戦略の立案にあるのだとすれば、法改正の内容だけでなく、継続雇用年齢を引き上げることを容易にするようなイノベーションへの投資も検討すべきだ。たとえば、高齢者に運転については、自動運転技術が進化すれば、高齢者による交通事故を大きく減少させることができる。高齢者向け自動車運転免許ではなく、自動運転車向け運転免許の新設の方が、日本の成長戦略としては波及効果が大きい。未来投資会議には、よりマクロな視点での議論を期待したい。