60歳以上のシニア女性と外国人が共に暮らすシェアハウス

大阪府大阪市住吉区にある、60歳以上のシニア層と外国人が共に暮らす女性専用シェアハウス。
(中略)
「高齢者や外国人が賃貸住宅を借りにくいというのは、不動産業界ではごく一般的な課題認識としてあり、私自身も今後ますます高齢者の入居問題は増えるだろうと考えていました。とくに大阪市では、全国平均と比べても高齢者の単身世帯率が高く、高齢単身世帯は夫婦世帯よりも借家率が高い状況にあります。さらに大阪市の中でも住吉区の空き家率が高いこともあり、この状況を解決する方法はないものか、と長く考えていました。」
(SUUMOジャーナル 10月27日)

賃貸住宅を借りにくい高齢者と外国人、高い空き家率、これらの社会問題を同時に解決するのが、空き家を利用した高齢者や外国人向けのシェアハウスだ。大阪の例では、60代の女性3人と6人の外国人が共に暮らす。高齢者専用や外国人専用ではなく、高齢者と外国人が同じシェアハウスに同居して助け合えるようにしたのもユニークなアイデアだ。高齢者と日本人の若者とのシェアハウスは珍しくないが、若い同居人を外国人にしたことで、高齢者と若者のギャップが広がり、高齢者も若者も両者の差を楽しむ機会が増えた。人間は、非日常の経験を楽しむ生き物だ。生活習慣や考え方が違う人との共同生活は、ストレスと緊張はあるものの、驚きと共感できたときの感動もある。毎日が海外旅行のような気分なのかもしれない。
職場においても同じことが言える。シニア世代と若い世代が共に同じ職場で協力し合いながら仕事し、互いに教え合い助け合うたびに、新鮮な驚きと喜びを感じることもある。組織の日常の業務に、いかに非日常の体験を生み出すか、そこが組織活性化のポイントだ。