福岡・飯塚市のシルバー人材センターの会員V字回復

全国のシルバー人材センターが会員減少に悩む中、福岡県飯塚市のセンターはV字回復を実現して、注目を集めている。新型コロナウイルス禍で2023年には最盛期より4割減の約500人まで落ち込んだが、現在は700人に迫る勢いだ。シニアを引きつける秘密は、街づくりへの強力なコミット(関与)。市中心部の商店街で空き店舗再生やアート事業を展開し、会員が地域貢献を実感できる取り組みが高く評価されている。
(西日本新聞 8月18日)

シルバー人材センターの会員が減少しているのは、シルバー人材センターの仕事が従来からの軽作業に偏っていることも理由の一因だ。たとえば、除草・清掃、駐輪場管理・施設管理、ポスティング、家事支援・掃除、植木剪定・障子張りなどの技能系などの仕事が多い。報酬は少ないが初心者でも始めやすい業務が中心だ。現役時代の経験に関わらず、仕事に就く機会を広げることを目的としてきたため、このような偏りが生じるのは致し方無い面もある。

ただ、現役時代の経験やノウハウを活かすことができれば、シニアの仕事は、より高い付加価値を生むことができる。飯塚市のセンターは、街づくりを通じた地域貢献という仕事を作り出すことで、シニアの能力を活かす場を広げることに成功した。事業には不採算に陥るリスクを伴うが、地域の地方自治体や業界団体などと協力して公共性の高い分野に注力すれば、リスクの低減も図ることもできる。飯塚市の事例は、他の都市のシルバー人材センターの参考になるだろう。