最低賃金1500円時代”シニアの働き方はどう変わる?
近年、男女ともに働くシニアが増えているが、低賃金の人は多い。
(中略)
「最賃1,500円」が達成された場合のシニアへの影響を考えると、最賃に近い水準で働く人にとっては、待遇改善につながると言える。シニアに多い清掃、警備、販売、調理、運転などは概ね、時間当たり所定内給与額が1,500円未満であり、これらの仕事をするシニアは、暮らしの底上げが期待できるだろう。ただし、収入重視のシニアは就業時間を増やしたり、新しく働き始めたりする可能性があるが、健康維持ややりがい、自己実現など、収入以外を重視する人も多いため、全体としてシニアの就業時間が増加するとは限らない。寧ろ、「年収の壁」や、在職老齢年金による年金減額、いわば「年金の壁」を意識した就業調整の問題も生じるため、就業時間を減らす人も出てくる可能性がある。
(TBS CROSS DIG 8月1日)
時給が増えれば、就業時間を短縮して、収入が増えないように調整する人は、一定数存在する。働く高齢者の全てが、少しでも収入が欲しいと思っているわけではない。ただ、そういう人たちにとっても、時給が上がるのは良いことだ。就業時間が少なくなれば、それだけ、仕事以外に使える時間が多くなる。全体としてシニアの就業時間が増加しないのは、社会的には問題であっても、シニア自身にとっては左程問題ではない。
最低賃金が過度に上昇することによって、社会にとってもシニアにとっても問題になるのは、生産性の低い、のんびり行う仕事がなくなることだ。高齢になると若い時のようにテキパキ業務をこなすのが難しい人もいる。8時間の仕事を半分にして4時間働き4時間休むという短時間勤務を望む人もいるが、むしろ、半分の仕事を8時間かけてゆっくり行うならできるという人もいるだろう。最低賃金を上げていくと後者の仕事は社会からなくなっていく。それは、社会にとってもシニアにとっても機会損失をもたらす要因のひとつとなる。
