退職金、受け取り方の損得 手取り額は一時金が有利

勤務先に退職金制度がある場合、退職金を一時金として一括で受け取るほかに、一部または全部を「企業年金」として退職後10〜15年かけて毎年受け取れることがある。
(中略)
社会保険労務士でファイナンシャルプランナー(FP)の井戸美枝氏は「基本的には一時金で受け取って退職所得控除をフルに使い、その後、受け取る年金を公的年金と合算して公的年金等控除の範囲内に収める方法が有利になるケースが多い」と助言する。現在の税制では退職所得のほうがより優遇されているからだ。
(日本経済新聞 7月18日)

退職時に一時金で退職所得控除をすべて使い切るのは、広く行われている。ただ、大企業の場合、定年まで働くと、退職一時金は減ってきているとはいえ、退職所得控除を超えることが多い。退職得控除は、勤続年数が20年までが40万円×勤続年数、20年を超えると70万円×(勤続年数―20年)となる。例えば、勤続30年なら、800万円+70万円×10年=1,500万円だ。この1,500円を超えた部分をどう受け取るかで悩むことになる。

退職所得控除後の退職金は、その半分だけが課税対象となるため、一般的には、退職後に年金で受け取るより、退職時に一時金として受け取った方が有利だ。ただし、扶養家族が多いなどの理由で、所得控除が大きい場合、年金額が大きくても所得税が非課税になることがある。非課税になるのであれば、半分だけ課税よりも税額が小さいので、年金での受け取りの方が得になる。家族構成など、個別の事情を勘案して、老後の収入と税額のシミュレーションをしてみることが重要だ。