「働くシニア」増えたら、60歳以上の「労災死傷」過去最多に

働く高齢者の増加に伴い、60歳以上の労働災害(労災)が増えている。
(中略)
厚労省が5月27日に公表した2025年の「労働災害発生状況」(確定値)によると、60歳以上の死傷者数(休業4日以上)は4万2318人となり、過去最多を更新。全年齢の死傷者数13万5333人の31.3%を占めた。特徴的なのは、増え方だ。全年齢の死傷者数は、増えたり減ったりしながらも20年前と同水準で、ここ数年は横ばいだ。その一方、60歳以上は増加傾向が続き、20年間で倍増。10年前と比べても1.6倍だった。
(東京新聞 6月11日)

毎年、厚労省の労働災害発生状況が発表されるたびに、高齢者の労災増加が指摘されている。高齢者の就労者数が増加傾向にある中で、高齢者の労災増加は自然増の側面もあるが、就労者数の増加割合以上に労災が増加しているのは問題だ。

厚労省は「高年齢者の労働災害防止のための指針」を公表し、多くの事業者は、これに加えて、独自にさまざまな労災防止策を講じている。しかし、すべての事業所で安全対策が講じられているとは限らない。事業者によっては、コスト削減のために安全対策が後回しになっていることもある。高齢の就労者の中にも、それを知った上で、生活のために危険な仕事に従事している人もいるだろう。

4月に施行された改正労働安全衛生法では、高齢者の労働災害防止に必要な措置を講じることは企業の努力義務とされているが、必要最小限の措置については、努力義務ではなく、義務とすることも考える必要がある。