25年度の早期希望退職募集は2万人超と高水準、黒字リストラが8割

東京商工リサーチは2025年度の早期希望退職募集が前年度比約2.5倍の2万781人だったと発表した。統計を取り始めた09年度以降で4番目の高水準だった。社数は46社と前年度から1割ほど減少した。25年度の早期希望退職はパナソニックホールディングスや三菱電機、三菱ケミカルなど大手メーカーによる大規模な募集が相次いだ。実施した企業の約7割は、直近決算で黒字だったが将来の事業転換や人員構成などを見越した「黒字リストラ」に踏み切っていた。黒字企業による早期退職の募集人数は1万6908人で全体の約8割だった。
(日本経済新聞 5月8日)

大企業が大規模なリストラを行うと早期希望退職の数に大きな影響がある。パナソニックホールディングスは国外まで含めると募集人数は1.2万人。三菱電機は4700人だ。一方、ジャパンディスプレイやシャープのような赤字企業によるリストラは、それほど規模が大きくない。

従業員の年齢構成が高齢層に偏っている企業では、高齢の従業員を削減し、若年層を増やして全体の人件費を減らしたいという思惑が働く。また、黒字で利益が潤沢にあれば、それをリストラ費用として使う方が法人税を払うより企業にとっては長期的にプラスだ。黒字の企業ほど、大規模なリストラを実施するのは当然とも言える。

ただ、米国では、AIの普及に伴って、逆に若年層の採用減とリストラが顕著になってきている。実務経験が少ない新卒や若年層の仕事はAIによって代替されやすい。むしろ、経験とノウハウのある高齢層の方が必要とされている。日本企業も、黒字リストラに踏み切る場合には、年齢によって一律に早期希望退職を募集するのではなく、今後のAIによる組織変革を踏まえた内容にすることが求められる。