シニアの労災どう防ぐ? 明るさ確保や段差の解消…4月から努力義務
働くシニアの増加に伴い、60歳以上の労働災害(労災)件数が増え続けている。死傷者の3割を高齢者が占める状況を背景に、労災防止を企業の努力義務とする改正労働安全衛生法が1日、施行された。企業は作業場所での段差解消や照明の明るさ確保など、手探りで減災対策を講じている。
(中略)
21年に雇用の年齢上限を撤廃した家電量販店のノジマは、今年3月末時点で65歳以上の従業員を100人以上抱える。転倒など労災事例が発生した場合は全店舗に共有。つまずきを防ぐために配線コードの位置を見直すといった細やかな対策につなげている。
(日本経済新聞 4月28日)
労災防止を企業の努力義務とする労働安全衛生法の改正に伴い、高齢者の労災を減少させるための対策に取り組む企業は増えてきた。しかし、中小企業を含めた社会全体では、まだ十分に広がっていない。その要因のひとつは、規模の小さい組織では、労災や労災につながる可能性のある事案の発生数が少なく、ノウハウが蓄積していないことにある。また、そのような事案が発生しても、情報が現場だけにとどまり、組織全体での共有が十分でないケースもある。ノジマが実施しているような労災情報を全店舗に共有する仕組み作りは、減災対策の継続的な進化を実現する上で重要だ。
さらに言えば、労災事例の共有を、企業内だけでなく、社会全体で行えば、小規模の組織でも他社の事例を参考にして自社の対策を検討することができるようになる。厚労省は減災対策のガイドラインを提供しているが、より具体的な事例が共有できれば、それぞれの企業での対策の検討も、より具体的に進むだろう。
