高齢者の災害防止、暑熱環境作業に注意

建設業労働災害防止協会(建災防、今井雅則会長)の調査によると、高齢就労者の災害防止に当たり、元請として熱中症などの「暑熱環境作業」に注意していることが分かった。建設業に従事する高年齢者の熱中症による過去5年間の死亡者数割合は、3割弱(25・9%)だが、ここ2年は3割を超えている。高年齢者向け対策についても7割(69・7%)が取り組んでいた。約3割の取り組んでいない理由として「年齢に関係なく安全対策を実施」が最も多かった。調査は25年度に実施した。高年齢者に対する労働災害防止対策の現状を把握する目的。全国中小建設業協会の会員企業を対象に調査し、165社から回答を得た。
(建設工業新聞 4月21日)

建設業界は、人手不足により、若年層の確保が難しくなり高齢化が進んでいる。就労者に占める高齢者の割合が増加すれば、熱中症による死亡者数割合もそれに比例して増加するのは自然だ。しかし、近年の気候温暖化の中、高齢就労者の熱中症は自然増以上に増加している可能性がある。とりわけ高齢者は、熱中症にかかると重症化しやすいので注意が必要だ。若いときには同じ症状でも回復していたのが、加齢とともに抵抗力が低下し、重篤な状態となって死に至ることもある。

高齢就労者の災害防止対策として、暑熱環境作業に注意している元請は多いが、その注意は、年一回の健康診断や毎日の現場での声がけに留まっている。年一回の健康診断では日々の体調は把握できないし、声がけの応答だけでは自覚症状の有無しか知ることができない。時々刻々と変化する健康状態を把握して熱中症を予防するためには、各作業員が腕時計型などのウェアラブル端末を装着し、バイタルサインや体温をリアルタイムに収集して現場で集中管理できるようなITシステムの導入も考えるべきだ。