「4人に1人」難聴時代に備えを、進化する補聴器
「昔むかしある所に……」。言語聴覚士、中村利光の朗読音声が難聴体験ブースに流れる。健聴な耳には極めて明瞭。ところが高音域が聞き取りにくい状態を機器で再現した途端、声は聞こえても何を言っているのかが分からなくなってしまう。
(中略)
最先端の補聴器は様々なテクノロジーが結晶したクールな製品だ。膨大な学習を経た人工知能(AI)が周囲の音環境を瞬時に分析し、言葉を際立たせて聞き取りやすく調整する。
(日本経済新聞 4月17日)
高齢になると視力と同様に聴力も衰える。しかし、補聴器は眼鏡ほど一般的に使われていない。眼鏡は子供でも使うが、補聴器は高齢者だけが着けるというイメージがあって、高齢者には抵抗があるのかもしれない。しかし、難聴は高齢者だけではない。若い人の間では、イヤホンを長時間・大音量で使うことによる音響性難聴、いわゆるイヤホン難聴も増えている。また、補聴器の大きさも小さくなり、形状もワイヤレスイヤホンのように見えるものも増えてきた。難聴の場合には、若い人がワイヤレスイヤホンを使うように、気軽に補聴器を着けた方が、仕事や日常生活を快適に送ることができる。
ただ、補聴器は一般的な眼鏡よりも高価だ。機器の価格が高いこともあるが、購入後も耳の状態に合わせて調整を続けるのにも費用がかかる。つまり、眼鏡よりもランニングコストが高い。もし、最先端のテクノロジーを適用して、この調整を自動化することができたら、補聴器の普及は促進されるだろう。今後の技術開発に期待したい。
