テクノロジーが創出する新しい高齢者就労の在り方

高齢者就労は、これまで労働力不足の緩和や社会保障制度の持続といった「社会的要請」の文脈で語られることが多くありました。しかし、実際に働く高齢者一人ひとりの立場に目を向けると、就労の意味は必ずしも社会的役割だけで語り尽くせるものではありません。テクノロジーの進展は、働き続けたい高齢者に新たな就労機会を創出し、働き方そのものを再設計する可能性を秘めています。
(中略)
テクノロジーを活用して想定より5年長く働けると仮定した場合、全体の5割超がそのことに関心を示しました。さらに、例えばアバターロボットによる遠隔接客や、アシストスーツを活用した作業支援といった具体的な事例を提示した上で「社会全体として普及すべきか」と尋ねたところ、いずれの事例でも6~7割が肯定的に評価しています。
(NRI JOURNAL 3月25日)

高齢者が働きたくても働けなくなる理由は様々だが、加齢による健康や体力の衰えは、そのひとつだ。もし、加齢による体力の低下を最新のテクノロジーによって補完することができれば、高齢者の雇用機会は拡大する。

この記事に紹介されている「アバターロボットによる遠隔接客」は、高齢者だけでなく、体が不自由な障害者の就労支援にもなっている。自宅のような遠隔地から店舗内のロボットを操作して接客することができ、通勤の必要もなく、身体的なハンディキャップを感じさせることもない。高齢者も障害者も健常な若者と同じように仕事をすることができる。

また、体に装着して動作を補助するアシストスーツは、筋力が低下した高齢者でも重い荷物を安全に操作することを可能にした。電動でモーター駆動の高機能アシストスーツは50~100万円と高価だが、非電動では数万円の商品も登場している。今後、これらの製品が普及すれば、高齢者が担う仕事の幅は、さらに広がっていくだろう。