再雇用、大幅減給は「不合理」 教習所に支払い命令

定年後の再雇用をめぐり、仕事内容は同じなのに、基本給などの賃金を大幅に減額されたことが不当だとして、名古屋自動車学校の元教習指導員の男性2人が差額分の支払いなどを求めた訴訟の差し戻し審で、名古屋高裁は26日、基本給について、仕事内容に応じた「職務給」の性質が大きく、若手職員との間に大きな違いがあることは不合理だなどと判断し、自動車学校側に差額分の一部を支払うよう命じた。
(中略)
差し戻し前の二審判決は、基本給について、定年前後で職務内容に違いはないのに、若手職員よりも低い点を問題視。基本給が定年時の60%を下回るのは、労働契約法旧20条が禁じる不合理な格差に当たり、違法と判断。これに対し、最高裁第一小法廷は23年7月、基本給の性質についての検討が欠けているとして、審理を差し戻していた。
(朝日新聞 2月26日)

長く続く名古屋自動車学校の訴訟だが、差し戻し審の判決が出た。「基本給の性質についての検討が欠けている」とした最高裁の指摘に対して、「本件の場合は仕事内容に応じた職務給の性質が大きい」と答えた形になっている。職務給であるなら職務に応じて同じ給与でなければ不合理だ。原告は上告する方針であるため、この判決が確定したわけではないが、もし、この判決が確定して判例となれば、今後、基本給に占める職務給の性質の割合によって、基本給の額が決まることになるだろう。

今までは、再雇用の基本給が定年時の60%を下回ると不合理とするのが通説となっていた。しかし、世の中に様々な企業や業務がある中で、一律に60%という基準を決めるのもまた不合理だ。これからは、個々の業務について、基本給に占める職務給の性質の割合を勘案して給与水準を決めることが求められる。