働く70代、手取り4割が住宅ローン返済に
2025年12月の日銀の追加利上げを受け、近く住宅ローンの変動型金利は平均で1%を超える見通しだ。
(中略)
国土交通省「住宅市場動向調査」によれば新築マンションを初めて購入する人の平均年齢は24年度に40.5歳まで上昇。一般的な35年ローンを選べば70代まで返済は続く。一方、総務省「家計調査」(2人以上勤労者世帯)では住宅ローン返済中世帯の可処分所得は25年で、世帯主40代の月約64万2000円をピークに、同70歳以降は同約48万6000円に下がる。データを基に7000万円を40歳から35年元利均等返済で借りた場合を試算した。金利1%では可処分所得に占めるローン返済割合は40代で30.8%だが、70代は40.6%に上がる。手取りの4割が返済に消える。
(日本経済新聞 2月23日)
今の70代で住宅ローンを抱えている人はそれほど多くない。30~40年前は、30代で住宅を初めて購入する人が多かった。35年ローンを組んだとしても、60歳の定年時には、住宅ローンの残高は退職金で全額返済できる程度に減っている。しかし、今や、住宅を初めて購入する年齢が上がっている上に、50年ローンのように長期の返済期間を選択する人も増えてきた。こうなると、30年後には70代で住宅ローンを返済している人の割合は相当数に達する可能性が高い。
現在は、金利が上昇してきたとはいえ、物価上昇率よりは低く、実質金利はマイナスだ。特に、東京23区のようにマンション価格が高騰している地域では、相対的に金利の低い住宅ローンを借りてマンションを購入した方が、資産は増える。しかし、歴史的に見ても、実質金利がマイナスの状態が永久に続くことはない。加えて、不動産価格は下落に転じることもある。かつての不動産バブルとバブル崩壊後の過程を見れば明らかなように、不動産価格が下がると不動産を売却してもローンを返済できない事態となり、借りている家計だけでなく、貸している金融機関も破綻の危機に直面する。将来、70代でも働くことが普通の時代になるとしても、70代で多額のローンが残っていることが生活水準の維持に与えるリスクは小さくないことに留意すべきだ。
