老後資金を年末点検、インフレに勝つ運用
老後に向けて資産形成に取り組んでいる人は多い。定年が視野に入る中高年は老後資金を蓄える最後のタイミングといえるが、日々の忙しさから正確な資産額を把握できていないケースは少なくない。そこで年末に実践したいのが金融資産の「棚卸し」だ。自身の資産状況を整理した上で、少額投資非課税制度(NISA)を活用してインフレに負けない運用プランを考えたい。
(日本経済新聞 12月21日)
老後に向けた資産形成の重要性は認識していても、現在の資産額を把握していない人も少なくない。現在の資産がわからないと、目標を達成するために、いつまでに何をすればよいかも判然としなくなる。特に、金融資産を複数の金融機関の口座に分散していると、全体が見えにくい。金融機関によっては、他社の口座で持っている資産も利用者が登録することで、ポートフォリオ全体を一覧表で表示するサービスを提供しているところもあるが、登録できる投資信託が自社取扱い商品に限られていたり、登録数に上限があったりと何かと制約が多い。資産の全体像を継続的にモニタリングするには、自分なりの工夫が必要だ。
金融資産の現状を把握できれば、それを基に、最適なリバランスを検討することになるが、ここでは、物価上昇による通貨価値の減少を考慮しなければならない。預貯金金利は上昇傾向にあるものの、物価上昇率の方が高く、金利から物価上昇率を引いた実質金利はマイナスのままだ。すべての資産を預貯金で持っていると資産価値は目減りする。資産形成の目標達成のために必要な利回りを計算して、その利回りを獲得できるよう資産の一定割合を株や投資信託のようなリスク資産に投資するべきだ。ただし、高齢になってからリスクを取りすぎることもできないので、資産運用で足りない分は、働くなどして、別の収入を確保することも考えておく必要がある。
