定年後でも間に合う、老後資金は「取り崩し」つつ増やす

定期収入が生活費を下回り始めたシニア世代は、資産運用が新たなフェーズに入る。収入の一部を積み立てる「資産形成」フェーズから、貯まった資産を生活費に使う「資産活用」フェーズへの移行だ。
(中略)
資産活用フェーズに入ったら、まず「①値上がり狙いの株式や投信」を1年ごとに少しずつ売却し、それを生活費に充当していく。この際、毎年取り崩す金額は「○万円ずつ」など金額で決めるのではなく、「その時点の資産額の○%」と「率」で決めた方がいい。
一方で、資産の多くを「②配当や分配金が安定して出る商品」として持ち、配当収入も生活費に充てることで、①の取り崩しペースを抑制して長持ちさせることを目指す。①が枯渇した時点で、次は高配当株などを売り始めるのが基本だ。
(日本経済新聞 12月3日)

老後資金は取り崩すだけでなく、同時に運用も続けて増やすことも考えるべきだ。相続人に遺産を遺す必要がないなら、亡くなるときには資産を使い切ってゼロにするのがベストではあるが、寿命がわからない以上、ある程度の資産は持っておきたい。

資産活用の方法としては、この記事が紹介するように、「値上がり狙いの株式や投信」から毎年、定率で売却するのが定石だが、それより前に、健康が許す限り働いて、資産の取り崩しを始める時期を遅らせたり、取り崩し額を抑えたりすることが重要だ。リスク資産は、その名のとおりリスクがあるので、時と共に増えるとは限らないが、確率的には、取り崩しを抑えた方が、資産は増加する。

その上で、ハイリスク・ハイリターンの銘柄から売却して現金化し、資産全体のリスク低減を図るべきだ。高齢になると、若い頃のように市場動向を頻繁に見ながらリターンを稼ぐことは難しくなる。想定外の事象が起きて大きな損失を被った場合、残された人生の時間が短いと挽回できない可能性も高くなる。年を取るとともに、低リスク資産にシフトする方が安全だ。