老後の生活費いくら必要? 中流世帯でも1.4億円、2%インフレなら

2025年、中小企業を含むすべての企業に対して65歳までの雇用確保が完全に義務付けられた。これで、公的年金受給年齢と多くの人が就業を終える年齢が一致した。令和の老後生活は「65歳から」と言える。
(中略)
日銀の物価上昇率の目標は2%だ。そこで2%インフレを前提に65〜95歳の生活費を試算すると、中流世帯が今の生活水準を続けるには総額約1億4000万円かかることになる。
必要額は暮らし方によって違う。貯蓄残高が上位20%の「リッチ世帯」は1カ月の生活費が約34万9000円と、中流世帯より9万2000円多い。外食や旅行費用の多さが目立ち、ファッションも楽しむ。リッチ世帯の65〜95歳の生活費は単純計算で総額約1億3000万円。2%インフレだと約1億8000万円に増える。
(日本経済新聞 11月21日)

老後生活に必要な資産は、この記事が指摘するように、生活水準に依存する。2%のインフレで通貨の価値が目減りすることを考慮すれば、リッチ世帯の生活費は総額1億8000万円になる、というのは事実かもしれない。ただ、リッチ世帯も90代まで同じ生活をしているとは限らない。資産はあっても、95歳になれば、65歳と同じようには、外食も旅行もしないだろう。逆に、医療費や介護費用は増加する。トータルでは、高齢になるとリッチ世帯であっても世帯支出は減少するケースが多い。

収支のバランスを考えると、リッチ世帯も、外食や旅行ができる程度に健康なうちは、働き続けて生活費を確保し、資産を温存することが、賢明な選択であるように思える。働けなくなれば、収入は減るが、同時に外食や旅行などへの支出も減る。残りの人生は、資産の利益や取り崩しと年金で生活できるだろう。リッチだから働かないというのは、将来のリスクを背負うことになることに留意が必要だ。