迫るAI失業、中高年にも脅威

米国で人工知能(AI)で代替できないブルーカラーの高額収入が注目され、職業訓練校への入学者が増えている。「ブルーカラービリオネア」を目指す動きだが、若者の雇用の受け皿になり得るかは不透明だ。AI普及による労働需給の緩みへの警戒が強まり、不安と混乱が広がり始めている。
(中略)
中高年にとっても人ごとではない。AIを使うことで自らの生産性を上げれば報酬増も見込めるが、自分が淘汰される側に回らないとも限らない。第一線を退いた後も補助的な仕事について長く働こうと考えていた人は、AIとの競合で老後のプランの変更を迫られる可能性もある。AIとの因果関係は不明だが、米国では若者だけでなく65歳以上の失業率が1年前と比べて上昇している。
(日本経済新聞 11月16日)

米国ではAIによる省力化が急速に進んできた。特に、単純な事務作業を担ってきたホワイトカラーの職種で顕著だ。その結果、経験を積んだベテランの雇用は一定数あるものの、未経験の新卒の採用は減っている。大学を卒業したての若者がする簡単な仕事はAIに取って代わられ、若年層の失業率は相対的に高くなった。

同様の現象が、高齢者にも起きている。日本の高齢者の職種としてよくある警備員や清掃員のようなブルーカラーの仕事は、ロボットとAIが融合したフィジカルAIが普及するまでは、AIに代替されることはない。しかし、「補助的な仕事」をしているホワイトカラーの高齢者は、職を失う可能性がある。AI時代に高齢者が雇用を維持するには、若者にない経験を活かした仕事をすることが重要だ。それは、補助的ではなく、AIによる代替が難しいコア業務の一翼を担う仕事になるだろう。