岡三証券で72歳支店長、女性・シニア登用へ
岡三証券で72歳の女性支店長が誕生する。11月10日に従業員の転勤や雇用年齢上限を設けない新型店を大阪市に出店し、営業のベテランが支店長を務める。柔軟な働き方を認め、独立系金融アドバイザー(IFA)として岡三証券からの独立も可能にする。
(中略)
転勤が原則ないほか、週2日出勤や時短勤務など多様な働き方を認める。新店舗の営業員は5人。複数人で顧客を受け持ち1日数時間の時短勤務など柔軟な働き方を可能にするという。従業員の評価手法も売り上げにひも付いた制度をやめた。顧客との関わり方や他の従業員の支援などチームへの貢献度を支店長自らが評価する。
(日本経済新聞 11月5日)
証券業界全体では、ネット証券のように、個人顧客との関係性は希薄だが、営業コストを低減し、手数料を無償や低価格に設定して安さを売りにする証券会社のシェアが大きくなってきた。しかし、一方で、富裕層を中心に、手数料は高くても、資産運用について手厚い支援を求める投資家も一定数存在する。このニーズに応える密接な顧客関係は、中小の証券会社にとって利益の源泉だ。
証券会社の営業に蓄積された個人顧客との関係を維持、強化するノウハウは、証券会社にとって貴重な資産であり、このノウハウを持ったシニア社員をできるだけ営業の前線で活躍させることは、会社の持続的な成長につながる。転勤の廃止や勤務形態の多様化など、シニア社員が働きやすい環境を整備してでも、実行する価値のある施策だ。
