白バイ一筋40年、定年後スタートアップへ

ミドル・シニアの転職先にスタートアップが選ばれるケースが徐々に増えている。培った経験や強みを創業間もない会社で生かせるだけでなく、自身も若い社員から刺激を受け、さらなる成長につなげられるためだ。
(中略)
元白バイ隊員の木下さんが定年退職後の勤め先に選んだのが、創業4年の「Turing」(チューリング、東京・品川)。生成AIを用いた自動運転のシステム開発を進めるスタートアップだ。社員の平均年齢が30代半ばの会社で、木下さんの経験や知識は貴重な財産。トレーニングマネージャーとして毎日、東京都大田区の研究施設に通い、運転映像を基に「この場面では危険を回避できたのではないか」などとドライバーと議論している。
(日本経済新聞 10月26日)

大企業や官公庁を定年退職した人が中小企業へ転職する例は多い。中小企業では少ない専門的なノウハウを持った人材の獲得や取引関係の強化につながるからだ。ただ、若い経営者が起業したスタートアップは、社員が若いだけに、中途採用も若い人材を求めることが多かった。

しかし、ここへきて、専門的なノウハウを持った人材であれば、年齢に関係なく高齢者でも採用するようになってきている。元白バイ隊員と自動運転システムを開発するスタートアップの組み合わせは、その典型的な例だ。

白バイ隊員は全国に多数いるものの、自動運転システムを開発する企業は限られているので、全く同様のケースが今後多く生まれるとは思えない。それでも、スタートアップが年齢に関係なく人材を求めるようになり、高齢者もスタートアップの若い社員と働くことに抵抗がなくなってきたという事例としては意味がある。