野村AM、定年退職後の資産運用を指南-60代の「経験者」集め新部署
野村アセットマネジメント(AM)が企業で定年を迎え、退職金などを手にした高齢者向けの資産運用アドバイスを手掛ける事業を始めた。団塊ジュニア世代が定年退職を迎える時期が迫っていることもあり、潜在的な需要は大きいとみている。サービス提供を担うのは「リタイアメントソリューション部」。部長を除くメンバー8人が全員60代だ。野村AMや野村証券などを定年退職した後、継続雇用されるなどした。60代のみで構成する部署は国内金融機関では珍しいという。6月から本格始動し、主に地方銀行などの金融機関に出向いて資産形成に関するセミナーを行ったり、顧客に投資助言する行員をサポートしたりする。
(Bloomberg 10月21日)
定年退職をした高齢者の金融資産を取り込むべく、銀行や証券会社などの金融機関がさまざまなサービスを提供している。たとえば、退職金を預金すると、金利を上乗せしたり、投資信託の手数料を割り引いたりするのはよくある退職者向けキャンペーンだ。その中で、野村AMは運用会社らしく資産運用アドバイスを提供する。高齢者向けに資産運用をアドバイスするセミナーを開いたり、富裕層から個別に運用を請け負ったりするサービスはよくあるが、自社を定年退職した従業員だけで資産運用アドバイスを提供する部署を作るのは珍しい。
ターゲットとする顧客と同じ定年退職者であれば、顧客が直面する課題がよく分かる。顧客もアドバイスの内容に共感しやすい。今回の野村AMの取り組みは、高齢顧客の開拓に一定の成果をもたらすだろう。ただ、リタイアメントソリューションという観点では、株や債券などの金融資産だけなく、不動産などを含めた多様な資産の組み合わせによるポートフォリオ構築が求められる。今後、野村不動産のような系列企業の退職者も含めた組織を作り、総合的なリタイアメントソリューションの提供に取り組むというのも選択肢のひとつだ。
