地方版ハローワーク、女性や高齢者の働き手発掘

自治体が運営する無料の職業紹介所「地方版ハローワーク」が眠れる働き手を発掘している。5月時点で全国に992カ所あり、島根県は県と全19市町村が設置する。地域課題を解決する自治体の政策と連動した職業紹介で、働く意欲のある高齢者や女性、障害者らの背中を押す。就職率は2019年度以降、国のハローワークを上回る。
地方版ハローワークは、地場産業の振興や介護・福祉の人手不足解消、移住促進といった地域課題を解決する政策の効果を高めるため、自治体が独自に職業紹介する。地域のニーズをきめ細かく吸い上げて雇用に結びつけ、23年度の就職率は全国で31.3%。民間の職業紹介が存在感を増し、就職件数の減少が続く国のハローワーク(26.8%)より4.5ポイント高い。
(日本経済新聞 8月22日)

厚生労働省が運営するハローワークだけでなく、地方自治体が運営する地方版ハローワークも高齢者や女性の職業紹介を推進している。国のハローワークが全国共通の職業紹介サービスを提供するのに対して、地方版ハローワークは地域の課題に応じた雇用対策を独自に実施することができる。移住希望者向けの求人や住居相談がセットになっていることもあれば、子育て、介護、住まいなどの相談窓口と併設されていることもある。国の監督がない分、自由な発想でサービスを提供してきた。

ただし、自由な発想で企画を生みだす創造力とバイタリティーがないと、制度や組織だけできて、開店休業中ということになりかねない。国のハローワークと人材を奪い合うのではなく、ハローワークと補完しあいながら、ハローワークだけでは難しいマッチングサービスを展開していくことが重要だ。