50代、企業超え学び直し
サントリーホールディングスやパナソニック系企業が連携してミドルシニア社員のリスキリング(学び直し)に乗り出した。経験の棚卸しや今後のキャリアプランづくりを促すカリキュラムを提供。企業の垣根を越えて同世代の仲間が刺激し合い、励まし合うことでキャリアの後半戦に挑む意欲を高める取り組みだ。
(中略)
計8回・延べ25時間ほどのカリキュラムは、机上の知識の習得より挑戦意欲を養うことに重きを置いた点に特徴がある。これまでの経験の棚卸しを通じた自分の強みの分析、自己PR力やコミュニケーション力の磨き方などを教え、内省の力を高める座禅体験も行った。最後に各自が今後のキャリアに向けた行動計画も策定した。
(日本経済新聞 8月8日)
シニアのリスキリングに多くの企業が取り組んでいる。事業の外部環境が激しく変化する中、環境変化に適応して自社の変革を継続するためには、40代以上の社員にも、過去の経験やノウハウを活かすだけでなく、新たな能力を開発することが求められる。とりわけ、新たなキャリアを築くための人間力の向上は重要だ。
同じ部署に長くいるとそこで必要となる専門的な知識は身につくが、逆に、その専門的な知識で処理できる範囲に仕事の幅も限定されることがある。その枠から一歩踏み出すには、自分自身を見つめ直し、「自己PR力やコミュニケーション力」を磨くことが必要になる。そのためには、今までの仕事の枠の外にいる人、たとえば、異業種の人々との接点を増やして、人間力を磨き合うことが役に立つ。サントリーホールディングスやパナソニックが始めた今回の取り組みは、今後、さらに多くの企業に広がるだろう。