シニアだけの中小企業向けマーケティング会社
金属加工のミヤマエホールディングスが2024年春に立ち上げたシニア人材だけの中小企業向けマーケティング会社が事業を広げている。シャープ元幹部をはじめ、営業の第一線で活躍したベテランが社内外で製品開発や新事業の立案、販売企画を支援する。7月に大阪、東京に次ぐ拠点を北海道に開いた。熟練の知見や豊富な人脈のニーズは高い。このマーケティング会社は24年4月設立の「M&Mネクストソリューション」。内規で社員は60歳以上と定めてあり、最長75歳まで働くことができる。
(日本経済新聞 8月7日)
大企業で得た知見や人脈を退職後に中小企業で活かすことは、よく行われてきた。しかし、正社員として雇用するとなると、中小企業の側もハードルが高いと感じることもある。そのような場合、企業側が必要と思われる案件ごとにコンサルティングを業務委託することができれば、高齢者の力を借りやすい。依頼が頻繁になるようなら、業務委託から顧問契約に切り替え、さらに、正社員として雇用することも考えられる。こうして採用した社員と企業の間では、ニーズのミスマッチも起きにくいかもしれない。
ただ、こうした高齢者によるマーケティング会社が継続的に付加価値を提供し続けるには、常に、新たな人材を雇用し続ける必要がある。知見や人脈は時とともに風化しやすい。新たな人材とともに新たな知見や人脈を組織に取り入れて、それを従業員固有の属人的なものから会社全体で共有するものに変えるような組織づくりが重要だ。