65歳で司法試験合格、元福岡市職員
定年後のキャリアの選択肢は幅広い。それまでと同じ分野で仕事を続けたり、新たに資格を取得したり――。退職金を糧に、若い頃になし得なかった夢に再挑戦する人もいる。
福岡市早良区の閑静な住宅街にある一軒家の2階に上がると、大きな黒いモニターが3つ並んでいた。使いこなしているのは弁護士の吉村哲夫さん(75)。福岡市役所の元職員で、定年退職後の65歳で司法試験に合格した。
(日本経済新聞 7月27日)
定年後、新たな人生に乗り出すのに、資格取得は時として有効な武器となる。司法試験や公認会計士など、安定した仕事の需要があって、かつ、取得が難しい資格であれば、なおのこと就労の役に立つ。ただ、合格が難しいだけに、一定の地頭の良さと大きな努力が必要だ。この記事で紹介された吉村さんは、九州大学法学部を卒業し、行政経験もある方なので、元々、法律家になるのに必要な素養と経験はお持ちだったのかもしれない。しかし、そうだとしても、高齢になってから司法試験の受験勉強をするのは大変だと感じることも多々あったはずだ。それだけに、合格したときの達成感は大きなものがある。
誰もが難しい資格試験に挑戦する必要はないが、今の自分にとって少し高いと思われる目標に向かって努力することは、仕事に役立つだけでなく、生きがいも与えてくれるものだ。まずは、身近な目標を立てて、若い頃に持っていた向上心を再び取り戻してみるのもいいだろう。