ハローワーク増員、高齢者・障害者の相談手厚く

厚生労働省は職探しする高齢者や障害者の支援を強化する。相談員を手厚く配置する「課題解決型」のハローワークを今年度に12カ所設置し、従来の6カ所から3倍にした。働きたいと望む高齢者や障害者が増えているが就職の壁は高い。求人企業と求職者の橋渡しをしてミスマッチを解消する。
(中略)
厚労省は9月をめどに、人工知能(AI)を職業紹介に活用する実証実験を始める。職員の勘や手作業に頼っていたマッチング業務を効率化するのが狙いだ。
(日本経済新聞 6月17日)

高齢者や障害者は、できること、やりたいことの個人差が大きく、職種などの大雑把な分類ではミスマッチが起きやすい。その結果、就職して初めてギャップに気づき、短期間で離職してしまうこともある。それだけに、仲介する相談員は、求人企業と求職者の双方のニーズをできるだけ詳細に把握し、正確なマッチングを心掛けなければならない。

ただ、限られた人員と予算の中で、相談員の増強には限界がある。人海戦術に頼るだけでなく、AIのような新たな技術を応用して、マッチングの精度と効率を上げることも重要だ。AIに優秀な相談員のノウハウを学習させてAI相談員を作れば、ほとんど無限の数の相談を受けることができる。また、求人企業のニーズや組織風土を学習したAIと求職者の希望や個性を学習したAIを作ることも可能だ。これらの求人企業AIと求職者AIを使えば、就労した場合に両者のマッチングの結果がどうなるかを予測することができる。今までのハローワークとは、また違ったサービスがそこには生まれるだろう。