セブン、配送負担減へ省力トラック2000台 シニアも働きやすく
セブン―イレブン・ジャパンは、店舗の荷下ろしの負担を軽減するトラックを全面導入する。台車を自動で下ろしたり、コンテナの奥にある商品を手前に出すコンベヤーなどを備えたりし、配送員の労働時間を1割削減する。まず、5年後をメドに全体の3分の1にあたる2000台を切り替える。人手不足が課題となるなか、シニアや女性が働きやすい環境を整える。
(日本経済新聞 5月24日)
労働時間の規制が厳しくなったこともあり、物流業界の人手不足は深刻だ。ドライバーが確保できずに、配送が滞ることも珍しくない。特に、配送員は、運転だけでなく、荷物の上げ下ろしも担当するため、ある程度体力が必要となり、高齢者や女性には難しい仕事だ。コンビニの配送では、店内に運ぶまでが配送員の仕事であり、店員の手助けを期待するわけにもいかない。
セブンイレブンが導入する省力トラックは、荷下ろしの負荷を軽減する機能が装備されていて、荷下ろしに必要な体力を軽減し、時間を短縮することができる。これによって、体力のないシニアや女性でも配送員が務まり、人手の確保が容易になる他、体力のある若い男性でも、時間の短縮により、より多くの配送をこなすことが可能になる。物流に限らず、人手不足への対策としては、こうした新たな技術を活用した生産性の向上が重要だ。生産性を上げずに人材獲得競争をするだけでは、社会全体の労働人口の不足は解消されず、賃金は上がってもそれ以上に物価が上昇する状態が続くことになる。