老後、6歳若返ってみる? 人生100年「老活」で怖くない
今年1月、1人の男性が自分の「年齢」と向き合っていた。暦年齢は63歳だが、血液検査が示す「生物学的年齢」は57歳。6年分の「若返り」を示すデータに男性の表情は晴れやかだ。
(中略)
終活より「老活」――。高齢化率世界一の老齢大国ニッポンで、健康長寿に挑むシニアが増えている。抗加齢医学に詳しいSAWAKO CLINIC×YSの日比野佐和子医師は「適度な運動や食事管理などを続ければ老化のスピードは遅らせられる」と言い切る。
(日本経済新聞 5月6日)
寿命が延びても健康寿命が延びなければ、健康でない状態が長くなり、本人も介護者も社会も厳しくなる。逆に、健康長寿であれば、長く活動的な生活ができるし、長く働くことも可能になる。高齢化が進む日本にとって健康長寿の実現は喫緊の課題だ。
今や、血液中の遺伝子情報から生物学的年齢を測定できる時代だ。最新テクノロジーを駆使すれば、現在の健康状態や今後の健康上のリスクを今までより詳細に把握できる。今後は、このような健康情報を基に、個人ごとに最適な運動や食事のメニューを提示したり、医療機関での受診を推奨したりすることが可能になる。既存の健康診断よりもきめ細かい診断と健康維持のための支援が実現するだろう。
企業でもこうした健康情報を活用して従業員の健康長寿を支援することができる。さらに、多くの健康情報を得ることができるようになると、業務上のリスクや適性についても評価できるようになる。新時代の健康管理は、職場での事故防止や業務のやり方の最適化に役立つに違いない。