「岡三証券」雇用上限年齢を撤廃へ、70歳でも支店長に
岡三証券は来年度から、現在は65歳となっている雇用の上限年齢を撤廃し、年齢にとらわれない人事制度を導入することがテレビ東京の取材でわかりました。本人の能力次第では、給与水準を下げることなく、70歳でも支店長を務めることが可能になります。
(中略)
「30代の支店長が増えると同時に60代を超えた支店長が活躍する。この実績を積み重ねていくと文化になる。若い人はもっと活躍できるようにしないといけないし、シニアはもっと長期間、あるいは報酬も減らないで増えることもあるようなインフラやプラットフォームを経営は提供しなきゃいけない。それは経営の最大の役割だと思う」(岡三証券グループの新芝宏之社長)
(テレビ東京 10月30日)
定年延長や定年後再雇用の処遇改善が続く金融業界だが、岡三証券は雇用の上限年齢の撤廃に踏み切った。人事制度上は、何歳になっても働くことができ、支店長のような管理職に就くこともできる。同時に、管理職に登用する下限年齢もなくし、30代でも支店長になる人も増やす。つまり、年齢によって処遇を決めるのではなく、能力によって地位と給与を決める人事制度への移行だ。
企業によっては、定年後に再雇用する制度を残した上で、再雇用の権限や給与を上げたり、働き方の選択肢を増やしたりするような人事制度への変更を進めている。それも同じトレンドに乗った施策ではあるが、最終的なゴールは年齢に関係なく処遇が決まる人事制度であり、再雇用制度の改善はその途上の措置だ。一方、岡三証券は、金融業界で、いち早くゴールに到達した企業のひとつになった。