男性よりも3割少ない? 女性の“老後リスク”と備え方とは
「ここまで少ないのかって思いました。正直、生活できません」短大卒業後に就職し、厚生年金保険料を25年以上納めてきたという40代の女性。それでも年金の見込み額が月11万円ほどだとわかりました。
ことし国が公表した「財政検証」で明らかになった、男女の年金の格差。今年度50歳になる人が将来受け取る年金の見込み額(平均)は、男性が14万1000円に対して、女性は9万8000円と10万円を下回っています。
(NHK 10月29日)
度々問題として指摘される女性の年金見込み額。そもそも、女性は結婚して専業主婦となり、夫の退職後は世帯全体で夫の年金に頼って生活し、夫の死後は遺族年金を受給する、というのが主流だった時代の年金制度では、年金だけで独身女性が老後を豊かに暮らすのは難しい。
女性の年金受給額が少なくなりがちなのは、収入が低かったり、年金に加入している期間が短かったりと、様々な要因で年金保険料の支払額が少ないからだ。人によっては、収入が少なくても、より多くの年金保険料を支払って、将来の年金見込み額を増額したいと考える人もいるが、企業も負担する厚生年金の仕組みでは無理がある。一方、自営業やフリーランスのような国民年金の第1号被保険者は、国民年金基金に加入することによって、自由に年金の上乗せが可能だ。厚生年金の加入者に対してもこのような選択の自由があってもよいだろう。