医療新興、ドコモ系などと高齢者の急変リスクを早期発見
医療新興のトータルフューチャーヘルスケア(TFH、東京・港)は4日、NTTドコモ・ベンチャーズや中部電力、YKKAP、大東建託の4社と連携し、高齢者の自宅での体調急変リスクを早期発見するプラットフォームを開発すると発表した。高齢者の心身が衰える「フレイル」や認知症のリスクを生活空間で検知し、必要に応じて医療機関での治療につなげる。TFHは認知症と脳卒中などの疾患の兆候でもある高齢者の転倒に着目している。住宅の天井に取り付けたセンサーによって転倒を発見し、バイタルデータの異変を把握すれば家族・介護スタッフに通知し、治療につなげる。例えばNTTドコモは異変を検知した後にオンラインで診療・健康相談できるようなシステムを開発する予定だ。
(日本経済新聞 10月4日)
バイタルデータの変化だけからも健康の異変を検知することはできるが、それに転倒などの動作のデータが加われば、さらに、検知の精度は上がる。センサーの進歩によって、今まで取得できなかった多様なデータを収集することが可能になった。これに、データ分析やAIなどのITを組み合わせれば、体調急変リスクの予測精度は向上する。
センサー技術がさらに進歩すれば、転倒だけでなく、転倒しそうで転倒しなかった事象も把握することができる。これらの事象を大量に収集してAIに学習させれば、転倒が起きる前に、転倒するリスクをAIが予測することも可能だ。
また、この技術が実用化されれば、家庭内で生活しているときだけでなく、職場で高齢者が働く際のリスク予測にも応用することができる。仕事場での高齢者の動作から転倒や怪我をするリスクをAIが予測する時代が、もうすぐ到来するだろう。