シニアの派遣社員、待遇を知る

青森県在住の男性Aさん(67)は大手人材派遣会社から派遣され、病院で調理補助スタッフとして働いている。1日4時間・週5日勤務を目安に食事の盛り付け・配膳、食器洗浄などをこなす。月によって勤務状況が異なり、月収は15万〜18万円ほどだ。
(中略)
専門性の高い職種は給与が高くなりやすい。例えばスタッフサービスグループで60歳以上の派遣社員の時給中央値をみると、全体では1200〜1400円だが、IT(情報技術)関連などのエンジニアは2100〜2300円となっている。「月給換算で100万円と現役時代並みになる人もいる」という。
(日本経済新聞 12月18日)

一般的には、派遣社員の給与は正社員の給与よりも低いため、派遣社員になることは敬遠されがちだ。しかし、正社員を定年退職したシニアの場合、今までの勤務先で再雇用されるよりも派遣社員になることを選択する人も少なくない。定年再雇用の給与は、現役時代の3~4割減になることが多く、派遣社員の給与と大差なくなる。

特に、IT技術者のように、労働市場の需要が大きい職種では、派遣社員の時給の方が高いこともある。加えて、派遣社員は複数の企業の仕事もできるため、収入をさらに増やすことも不可能ではない。IT系の仕事の場合は、自宅でリモートワークをすることも多く、複数の企業の仕事を担当するのは比較的容易だ。定年後の仕事の仕方として、派遣社員も選択肢のひとつとして考えてみるのも良い。