首都圏シニアのスキルが地方企業を救う、旅するように働く「複業」のススメ

地方の人口減少、少子高齢社会化が加速するなか、地方創生という視点での「地域複業」という働き方が注目されている。都市部に拠点を置いたまま、地方の企業・団体を含めて複数の仕事をする地域複業。
(中略)
「副業」は収入の補完的な目的でとらえられるが、「複業」は収入面に限らず自己実現、社会貢献、地域活性化などの複数の目的を持って自律的に働くスタイルという。
(産経WEST 11月4日)

副業という言葉には「主たる仕事である本業とは違う」という意味が含まれるが、複業は複数の仕事のうちの一つという意味だけで、複業の仕事の間に主と副という序列はない。複業の目的もまた、収入だけでなく複数だ。それは、企業の事業活動と似ている。企業は複数の事業を持っていることは普通だし、事業目的も収益確保だけでなく、社会貢献や地域活性化を目的とすることもある。

勤労者の立場も専業から兼業・副業、さらに、複業と変わるに連れて、個人事業主のようになっていく。今でも、弁護士や税理士のような個人事業主は、複数のクライアントを持ち、社会貢献などを目的として活動することもある。インターネットを介して遠隔地の仕事をするリモートワークが一般化する中、各地の複業のマッチング事業が普及すれば、より多くの業界で勤労者の個人事業主化が加速するだろう。