中部電力と三菱商事、高齢者見守りに電力データ活用

中部電力は三菱商事と組み、家庭や企業から集めた電力データの利用を全国で始める。法改正により、10月から一般企業による電力データの利用が可能になる。第1弾として高齢者の見守りサービスを提供する。日常生活に関わるビッグデータを有効活用した新たなデータビジネスの創出が動き出す。
政府は電力データを有効活用するため、2020年に電気事業法を改正して環境を整えてきた。一般社団法人の電力データ管理協会が電力データを管理し、一定の基準を満たす企業などがデータを扱えるようになる。電力会社が従来の営業区域を超え異業種と組むデータ活用が本格化する。
(日本経済新聞 8月26日)

かねてより実証実験を重ねてきた電力データによる高齢者見守りサービス「テラシテ」が実用化される。現状、見守られる人は中部地域で中部電力ミライズと契約していなければならないが、技術的には、電力データ管理協会が管理するデータを利用することにより、電力会社の営業区域を越えてサービスを提供することも可能だ。将来的には、全国に展開する可能性もある。月額550円と低価格だが、全国展開して規模が拡大すれば、さらにコストは下がるだろう。

利用の拡大が期待される電力データだが、さらに、データ分析の精度を上げるには、電力以外のデータとの突合が重要になる。たとえば、気象条件が電力消費量に影響を与えるとすれば、気象データと突き合わせることは有意義だ。あるいは、スマートウオッチのようなウェアラブル機器を装着している人なら、そのデータと合わせて分析することで健康状態の推測の精度が向上する。電力会社の営業区域を越えるだけでなく、電力業界の枠を越えたコラボレーションが進むことを期待したい。