82歳の看護師や73歳の介護士、新しい事学び子育て中の若手補う

人手不足が叫ばれる介護業界で、高齢者雇用を積極的に行っている三重県津市の施設を取材しました。津市にある「いちしの里」では、医療行為が必要な高齢者など約50人が暮らしています。この施設で10年以上前に始めたのが、高齢者雇用でした。
(中略)
現在は、70代の職員が15人、80代が3人働いています。看護師の橋口光子さん(82)は「仕事が好き。若い人とお付き合いしてたくさん新しいことを学べるのは楽しい」と前向きです。高齢者を雇用するため、事故の原因になりそうな場所を改善したり、体に負担のない器具を導入したりと、環境整備を行ってきました。 そしてもう一つ取り組んだのが、職務に応じて給与を支払う制度づくりでした。
(三重テレビ放送 5月25日)

高齢者雇用には、安全な業務環境の整備と柔軟な人事制度が必要だ。「いちしの里」は、その両方を工夫している。加えて、保育園を併設するなどして、子育て中の職員と高齢職員とが相互に補完しあう体制を整えた。子育て中の職員も勤務時間や給与体系などで柔軟な制度を求めている。若い職員が働けない時間帯を高齢者が担当できれば、若い職員にとっても働きやすい。

高齢者向けの安全な業務環境の整備と柔軟な人事制度は、高齢者だけでなく、子育て中の女性や障害者などフルタイムでは働きにくい層が労働市場に参加するのにも役立っている。さらに、既にフルタイムで働いている男性が、子育てにより時間を割くのにも役に立つだろう。年齢や性別に関わらず働くことのできる環境が最終的なゴールだ。