シニアと日本の外食産業-肉食シニアが変える外食-

シニアと日本の外食産業、肉食シニアが変える外食

いまどき「肉食シニア」実態は?の記事で、

シニアの皆さん、もっとお肉を食べましょう!…と思いましたら、昨年博報堂が行った調査では、60代で肉料理が好きだという人の割合は82%に達しており、
魚料理(88%)、野菜料理(87.7%)と比べても大差なかったとのこと(博報堂 新しい大人研究所 2013年9月)。

肉をよく食べるようになったシニア層

一昔前までは、シニアは、動物性たんぱく質よりも植物性たんぱく質、同じ動物性たんぱく質でも肉類よりも魚介類を好む傾向がありました。しかし、今や、そのような傾向はあまり見られなくなってきています。

現在65~70歳の人が15~20歳であった1960年代は日本の高度成長期であり、日本人の食生活が大きく変わった時期です。この世代は日本最初の肉食世代と言ってもよいでしょう。

人の趣向は簡単に変わるものではありません。生活習慣病対策として肉を控えようという意識は多少あったとしても、若い頃から肉食が普通であった世代にとって、シニアと呼ばれる年齢になったからと言って、急に肉を敬遠するのはむしろ不自然です。長く肉食に慣れた世代はシニアになってもやはり肉食を続けます。その結果、シニアの肉類の購入額は増加し、今後も増え続けることになります。

外食でも存在感を増す肉食シニア

家計の肉類の購入額だけでなく、外食においても肉類を食べるシニアが増えています。7月28日付の日本経済新聞には、次のような例が紹介されています。

東京都府中市にある食べ放題の焼肉店「焼肉きんぐ府中店」。7月上旬の平日夜、客席には家族連れやカップルに交じり、シニアのグループ客も目立った。
夫らと3人で訪れた渡部安佐代(74)はタンやカルビをしっかり食べて、総額で1万円ほどを支払った。焼き肉やトンカツなど3日に1回は食べるという肉料理は「体力をつけるのに役立つ」。焼肉きんぐ直営店のシニア客は1日当たり1店平均24人。3年前の2倍に増えた。
消費に前向きな“肉食シニア”は若者中心だったファストフード店の客層も変えつつある。名古屋市の住宅街にあるハンバーガー店「モスバーガー戸田店」は午前中、シニアのたまり場になる。近くに住む木村式子さん(90)は毎日のように訪れる常連客の一人だ。
「午前中のおやつ」というハンバーガーをほお張りながら、「今日はね、食パンを半切れ食べてきた」と起きてからの出来事をテーブルを囲む仲間に報告していた。午前7時から営業する戸田店は2007年秋の開業から年々、シニア客が増え、朝食時間帯は来店客の7~8割を占める。

シニアの外食市場を獲得しようとしているのは、焼肉店やハンバーガー店だけではありません。一般のファミリーレストラン、ファストフード、カフェ、コンビニなど様々な業種がシニア客の獲得に動いています。その中で、シニアが増えてきたモスバーガーといまだに高校生が多いマクドナルドのように、やや差が見えてきた業界も出てきました。

シニア客の獲得に成功するにはどうするか、シニア外食市場は業界を越えて知恵を競い合う大競争の時代に突入したようです。