シニアの新たな「働く」選択肢-シニア起業-

kigyou

最近、“シニア起業”という言葉を耳にする機会が増えてきました。
シニアの人口が増えているのですから、起業家の中でのシニアの存在感が高まるというのも、当然といえば当然です。
起業を総合的に把握できる統計というものがないのですが、例えば、日本政策金融公庫が融資を行った開業後1年以内の企業に対して毎年行っている調査によると、開業時の年齢が60歳以上という企業の割合は、1990年代には2-3%だったものが、2013年には6.5%と倍以上になっています。

 ビジネスですから収益をあげることは大切ですが、シニアの起業の場合は、「できるだけ多くの収入を得たい」と考えている人が26.6%であるのに対し、「家計を維持できるだけの収入があれば十分」と考える人が64.9%と圧倒的に多くなっています。
(「シニア起業家の開業‐2012年新規開業実態調査から‐、日本政策金融公庫総合研究所」そもそも、シニアの起業の動機は「仕事の経験・知識や資格を生かしたい」「社会の役に立つ仕事がしたい」「年齢に関係なく仕事がしたい」ということにあり、「自由な仕事」や「収入増」「事業経営への興味」などが上位にあがっているそれ以下の年代の起業家(35-54歳)とは大きく異なっているのです。

 上の起業動機にもあるように、シニアが興すビジネスというと、それまでに培ってきた知識や経験、ネットワークなどを活かしたものを思い浮かべます。
実際、「現在の事業に関連する仕事の経験年数」は、30年以上という人が32.3%と最も多く、平均でも17.8年とのこと。
長年に渡る経験やそこで得た知識をベースに起業していることがわかります。
しかしながら、一方では「経験がない」という人も22.6%にのぼっており、他の年代と比べても多くなっています。
経験や知識は、業種や業界にとらわれず、様々な事業・分野に活用できるということなのかもしれません。

 「シニアの起業は初期投資が不要で、固定費も軽くて済む、ローリスクの仕事を選ぶことが原則」(シニア専門の起業支援サービスを提供する「銀座セカンドライフ」の片桐実央代表取締役、東洋経済オンライン2014.2.14)だそうです。
ビジネスアイディアがすぐに思い浮かばないという場合には、“好きなこと”“得意なこと”“市場機会があること”という3つの円が重なるところから考えてゆけばよいとのこと(同、NHK「サキどり!」2014/1/12)。

 希望者は65歳まで会社で働けるようになったとはいっても、本当に会社から必要とされ続けることができるか、経験を活かした仕事を続けられるか、給料がそれまでと同じようにもらえるか…どれも保証はありません。
まだまだ働きたい、体だってどこも悪くない…、自分の経験を後世に伝えたい…、自分が社会のためにできることがあるはず…。
だとしたら、“ゆる起業”なる言葉もあるようですから、大風呂敷を広げるのではなく、万一のことがあっても大損をしないことを考えながらビジネスを興してみるというのも、ひとつの選択肢として考えてもよい時代になってきたのかもしれません。