新しい働き方の提案―クラウドソーシングとは―

クラウドワークス・ランサーズ

“クラウドソーシング”という新しい働き方をご存知でしょうか?

インターネット上のプラットフォームを介して、企業が発注する仕事を、フリーランスを初めとする個人が受注するという、ひと言で言ってしまうと、ネットの仕事マッチングです。

これまでも、企業が専門性の高い業務などを外注する“アウトソーシング”ビジネスはありましたが、インターネットを利用することにより、それまではアウトソーシングが難しかった限られた予算や納期の短い業務を、専門性を活かしたい、時間を有効活用したい、などと思っている不特定多数の人々に外注することが可能になったのです。

クラウドソーシングという言葉も、群衆を表すクラウド(Crowd)と業務委託(Sourcing)を組み合わせた造語です。

群衆

このような業務マッチングサイトが登場したのは2005年ごろ。アメリカを中心に急成長し、2013年には全世界での市場規模は約2000億円に達し、2018年には1兆円を超えると見込まれています。(日本経済新聞 2013/8/27)

元々は、システム開発やウェブのデザイン、イラスト作成、翻訳、写真撮影など専門性が必要とされる業務が中心でした。コンペ形式で応募者を募り採用するものを決めるというやり方もあり、企業にとっては、短期間、低コストで多様なアイディアを募ることができるというメリットがあります。さらに最近では、webサイトの記事の作成やデータ入力といった特別なスキルを必要としない業務にまで広がってきており、裾野が拡大しています。

そのクラウドソーシングの働き手として注目されているのがシニアです。

日本最大級のクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」が2013年6月に行った調査によると、4万人の登録者のうち50歳以上の占める割合は6.6%で、仕事の受注経験がある最年長は79歳。そして、これらシニアユーザーの3分の一が、クラウドソーシングを利用して毎月20万円以上の収入を得ていたそうです。

その後もさらにシニアの利用者が増えているという状況を受け、クラウドワークスはテレビ東京と提携してシニア向けクラウドソーシングサービス“シニアワークス”を昨年11月に立ち上げました。

シニアワークス

そのウェブサイトを見ると「奈良県に住む70歳の男性。メーカーのパンフレット、ロゴ、地図、名刺、製品イラストのコンペに参加し、5回採用」「68歳のデザイナーの男性。平日の在宅勤務で、時給2,000円の契約によりホームページ制作を行っており、2ヶ月で21万円の報酬を得ている」「66歳の女性で、シニアワークスを使ってECサイトの商品販売のデータをエクセルで入力する作業(未経験可)を行い、合計88,000円(1回3,000円程度×30回)の報酬を獲得」などの事例が紹介されています。

在宅で自分のペースで好きな時間に好きなだけ働けるというのが基本ですから、シニアのニーズにもマッチしていると言えそうです。先に紹介した調査では、約半数がフリーランスとして仕事を受注し、1割を超える人が年間500万円以上の収入を得ていたそうです。もちろん、そこまで稼げるのは専門的なスキルがある人に限られるのでしょうが…

一度クラウドソーシングのサイトを覗いてみると、あなたのスキルが活かせる仕事の募集があるかもしれませんね。