国際成人力調査にみる日本人のITリテラシー①

経済協力開発機構(OECD)が、初めて実施した「国際成人力調査」の結果が発表されました。この調査は、“日常生活の様々な場面で、文章や図などの形で提供された情報を理解し、課題の解決に活用する力を測定”するもので、“具体的には、「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」の3分野についての調査”を行っています。

発表された結果を見ると、日本は「読解力」「数的思考力」で調査参加24か国中1位。関係者らは「義務教育をはじめとする日本の教育の成果が大きく反映されており、企業の職員研修も影響していると考えられる」(文科省生涯学習政策局政策課の亀岡雄・主任社会教育官 2013/10/8毎日新聞)、「基盤的な労働力の質が国際的になお第一級の水準にあることが確認された」(お茶の水女子大学副学長 耳塚寛明氏、2013/10/9日本経済新聞紙面より)などと分析・評価しています。

一方で、「ITを活用した問題解決能力」は10位と平均レベル。他の2項目がトップであるのと比べると、明らかに見劣りします。何が問題なのか?この結果をもう少し詳しく見てみましょう。

この調査は、原則としてパソコンを用いたコンピュータ調査により実施されましたが、コンピュータを使った経験がない人やコンピュータ調査を拒否した人、事前調査(ICTコア)でコンピュータスキルが不十分とされた人には、紙ベースでの調査が行われています。
コンピュータ経験なしの割合: OECD平均9.3% 日本10.2%
コンピュータ調査拒否の割合: OECD平均10.2% 日本15.9%
事前調査不合格者の割合:   OECD平均4.9%  日本10.7%
これらの数字を見ると、「ITを活用した問題解決能力」以前に、ITリテラシーが低いということがうかがえます。

「ITを活用した問題解決能力」=10位というのは、上記のようなコンピュータ調査を行わなかった人も含めた結果です。実は、コンピュータ調査受験者のみを結果を見ると、日本の平均得点はトップなのです(OECD平均=283点、日本平均=294点)。
調査は、住民基本台帳をもとにした層化二段階抽出方法で抽出された人を対象に行っています。抽出方法の説明は省きますが、一般的に、日本全国地域・年齢層に偏りなく調査対象が抽出できる方法です。ということは、これが日本人の平均的分布であり、ITを使っている・使いこなしている人の能力は高い、しかし全く使えない人も多い。いわゆるデジタルデバイドが存在するということがうかがえます。

この結果を受けて、「文部科学省では、「教育のIT化を一層進める必要がある」としている」(産経ニュース 2013/10/9)、「学校教育の段階から積極的にITに親しむ環境づくりが急務といえそうだ」(日本経済新聞 2013/10/9)などとコメントされていますが、今の子供たちは小さい頃から十分に携帯・スマホ・パソコンなどのIT機器には親しんでいるようにも思えます。
次回、このあたりをもう少し詳細に検討し、さらにシニア・中年層・若者などの年代別にどのような特徴があるのかをご紹介していきましょう。

下記に問題例が紹介されていますので、皆さんもトライしてみてはいかがでしょうか?
国際成人力調査 調査問題例 (文部科学省ホームページ)