50代でも新たな挑戦、霞が関辞め「森にささげる」

50代は管理職など職場の中核を担う年代にあたるものの、人生100年時代にあってはまだ折り返し地点だ。後半生も同じ道を歩み続けるか、新たな挑戦に踏み出すか――。分岐点でもある。
(中略)
「寝転んで五感で森を感じてください」。人事院の研修で森を訪れた約40人の各省庁の職員を案内するのは「モリアゲ」代表の長野麻子さん(53)。28年勤めた農林水産省を2022年に早期退職し、森と人をつなぐ森林業コンサルタントに転身した。
(中略)
霞が関で経験を積み、電通出向時に社会問題をビジネスによって解決する手法に触れてきた。官民の視点を持ちそれぞれをつなぐ立ち位置を強みにできるのではと考えた。2カ月後、森と関わる人を「盛り上げたい」という願いを込め、モリアゲを設立した。
(日本経済新聞 12月7日)

定年まで、あるいは定年を過ぎても再雇用で、同じ職場で働く人は多い。しかし、その一方で、「新たな挑戦に踏み出す」人もいる。どちらがいいかを一概に決めることはできない。今まで培ってきた経験や能力、残りの人生への想いは人それぞれだ。長野さんの場合は、林野庁の課長として気づいた森への想いが契機となり、農林水産省の官僚として関連業界や自治体と間で築いてきた人脈が独立してコンサルティング業を営むことを後押しした。

同じ職場で仕事を続けることも今までの経験を活かせるという意味ではよいが、今までの経験は、今の職場以外でも役に立つ可能性もある。50代は、一度立ち止まって視野を広げ、職場の外の社会と自分の人生を俯瞰的に見つめ直すのに良い時期なのかもしれない。