70歳雇用延長、課題は「報酬」「モチベーション」「人件費」

2021年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され1年以上が経過している。
(中略)
 6月29日、IT企業のワークスヒューマンインテリジェンスが「高年齢者雇用安定法改正に準じた対応に関する状況調査」の結果レポートを公表している。
(中略)
定年延長についての課題については、「対象者の報酬水準」が58.7%で最も多く、次いで「対象者のモチベーション」が55.4%と続き50%を超えており、「人件費の高止まり」39.1%と続いている。
(EconomicNews 7月5日)

70歳までの就業機会確保を求める改正高年齢者雇用安定法への対応として定年の廃止や延長に踏み切る企業は、増えてはいるものの、まだ少数に留まる。終身雇用と年功序列の人事体系を残している企業ほど、定年の廃止・延長へのハードルは高い。定年延長の課題として、「対象者の報酬水準」、「対象者のモチベーション」、「人件費の高止まり」を挙げるのは、主に、こうした企業だ。

たとえば、給与水準が年齢と全く関係なく、成果によってのみ決定されるならば、対象者が高齢であっても報酬水準は問題にならない。また、外資系企業のように、アップオアアウト(up or out)、つまり、アップ(昇進)しなければアウト(退職)するという人事制度の下では、70歳になるまで退職してない人材は、極めて優秀で、高いパフォーマンスを発揮し続けてきた人だ。外資系では、毎年の人事評価の下位15%程度が解雇の対象となる。40年間、一度も下位15%にならなかった人は、企業にとっても貴重な戦力で、モチベーションを心配する対象ではない。このような優秀な人材に高給を払ったとしても、人件費以上のリターンをもたらしてくれるため、人件費が高いとは企業は思わないだろう。高齢者の就業確保には、高齢者の処遇だけでなく、全社的な人事制度の見直しが必要だ。