老後資金取り崩しの強い味方、ネット証券の定期売却機能が拡充

ネット証券大手のSBI証券は2025年12月6日に、投資信託の定期売却サービスの機能を拡充した。これはあらかじめ設定した条件にのっとって、証券会社が自動で売却をしてくれるサービスだ。定額売却の種類は主に3つある。1つ目は、毎月5万円ずつ売却するといった、1回当たりの売却金額を決める定額売却。2つ目が、毎月2%ずつ売却といった、保有口数に対して売却する率を指定する定率売却。そして3つ目が、現在から指定した最終受取年月までの期間で、保有口数を売却予定回数で均等に分割して売却する期間指定売却だ。例えば、ある投信120万口分を10年(120カ月)後までに売却する場合、毎月1万口ずつ売却することになる。
(日本経済新聞 1月14日)

楽天証券やSBI証券は、投資信託の定期売却サービスを提供してきた。高齢者の中には、毎月分配金を得られることを理由に、毎月分配金型投資信託を購入している人もいる。しかし、自動的に毎月売却してくれるなら、毎月分配型でなくても、年金のように毎月現金を得ることができるので便利だ。現状、毎月分配型投資信託はNISAの対象外だが、NISA対象の投資信託で毎月分配型と同様のサービスが受けられるなら、このサービスを選択する人が増えるだろう。

一般に、証券会社としては、毎月分配型投信の方が高い手数料収入を得られるため、毎月分配型投信を売りたいところだ。しかし、ネット証券は定期売却サービスを自社システムで実現することで毎月現金化する機能を無償で提供し、毎月分配型を求める高齢の顧客層を既存の証券会社から獲得しようとしている。既存の証券会社の顧客は高齢層が多く、ネット証券は若年層が多いが、今後は、この傾向にも変化が生じるのかもしれない。