-第1回-セカンドライフのプランニングのスタートは、「人・モノ・おカネの棚卸し」から

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人生後半期のスタートにやっておきたいこと

今の時代、「60歳で退職したら隠居して何もせずに過ごしたい」という方はごく少数でしょう。まだまだ気力も体力もあり、心の中には熱い思いも抱えている、しかしその一方で何から始めていいのかわからない、そんな方も多いのではないでしょうか。
すでに新しい人生をスタートさせている方にも、まだ迷っているという方にもやっておいていただきたいのが、「人・モノ・お金」の棚卸しです。
長い人生を過ごした方々であれば、それぞれの方は大きな財産を築きあげているはずです。現金化できる資産だけでなく、人間関係も立派な財産。それを整理して確認しておくことは、これからの人生にきっと役立ちます。

人間関係を整理する

 まず確認しておきたいのが、自分の親族関係です。相続や死後の手続きで思わぬ親族の存在が発覚して周りの人が戸惑うこともあります。普段の付き合いがなくなってしまった場合でも、自分にどういう親族がいるか、配偶者や子ども、その他親しい方には知らせておきましょう。
親族以外の関係者も書き出してみましょう。現在、親しくお付き合いしている人だけでなく、友人や趣味の仲間、仕事がらみの知人など、これまでの人生で関わった大切な方々との関係が今後の人生で大きな支えとなることもあります。40代~50代以降に同窓会が盛んになるのは、単に懐かしいだけでなく、そこでの交流が自分の心を豊かにするからだと思います。

モノを整理する

 最近、流行りの「お片づけ」や「断捨離」は、身の回りの物を整理して不要な物を手放して、スッキリした生活空間と快適な暮らしを手に入れることを目的としています。単なる整理整頓ではなく、自分に必要なもの、自分が好きなものは何かを考えることが大切なのだそうです。
お片づけ指導を専門にしている方の「物を大切にするというのは、それを使ってあげてこそ。自分が使わないなら、誰かに使ってもらうことが、大切にするということではないでしょうか。」という言葉に、「なるほど」と思いました。
人生後半期に入ったら、「自分の死後」を想像してみることも大切です。一人暮らしあるいは夫婦のみの高齢者世帯で、その方々が亡くなったり介護施設に入ったりしたあとの荷物処分は、遺族や関係者にとって大変な作業となります。遺品整理業の会社が次々に設立されているのはニーズが増えている証でしょう。処分してくれる人が困らないように、価値があるもの、誰かに譲りたいもの、処分して欲しいものなどと区分けをして、ノートなどの書いておくのも、ひとつの方法です。

お金を整理する

 セカンドライフに必要な要素は、「健康」と「お金」そして「生きがい」です。人が生きていくためのもっとも大切なのは、もちろん生きがいですが、生きがいのある暮らしのベースとなる健康とお金も重要です。健康を保つために健康診断が欠かせないように、お金に関しても定期的な健診が必要です。
まずは、取引のある金融機関を書き出すことから始めましょう。銀行や信用金庫など通帳がある金融機関、証券会社や投資信託会社など、数ヵ月おきに取引記録が送られてくる金融機関、生命保険会社や共済のように保険や共済契約があり年に一度報告書が送られてくる金融機関などがあります。インターネット専業の金融機関では、郵便物が送られてこない契約をすることもできますので、その場合は残高記録などを印刷しておきましょう。
次に金融機関ごとに、取引内容を書き出します。項目は、「預貯金」「株や債券、投資信託、FXなど」「生命保険(共済)」「損害保険(共済)」「借金」。すべて書き出したら、今度は項目ごとに一覧表を作成します。

こういった作業は、自分の人生を改めて見つめ直すきっかけとなるはずです。どれかひとつだけでも、試してみてください。

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今年の敬老の日に発表された100歳以上の高齢者数は、何と5万4397人でした。多くの企業の定年は60歳ですが、日本人の平均寿命は男性79.94歳、女性 86.41歳ですから、社会人生活が終わったあとも、平均で20~26年、長い人で40年もの時間があるのですね。「余生」というにはあまりに長い時間を有意義に過ごしていただきたいと思います。