-第6回-さまざまのストレスによる精神的障害と発達障害

tsutsumi_kanban

世の中が進歩するにつれて、いろんな「ストレス」に悩まされるようになってきた。
昔はよかったのかな、と私の小学校、中学校時代を振り返ってみる。
小学校の前半は戦争時代で日本と中国との戦争がはじまり、さらには第2次世界戦争が起こってしまった。戦争一色の時代で、私も大きくなったら陸軍、海軍に入隊することが当然の目標のように考えていたと思う。戦後、平和憲法のもとに民主教育を受け、お米も配給で、空き地にはカボチャやサツマイモを植えて、いま考えると信じられないような生活経験もしてきた。
考えてみると大変な「ストレス」のはずだが、狭い家に家族全部が布団を敷いて休み、ちゃぶ台を囲んで食事をするということを「ストレス」と考えたことは無かった。
その時代、精神病はどうだったのかと考えると、近所に座敷から出ないで、隔離されている人が居るという話を聞いたり、郊外には精神病院というものがあって、人と口喧嘩をすると○○病院に行けという言い方もあった。ストレスもあったかもしれないが、先天的な精神病は存在し、精神病理学や精神分析学も研究され、病院では患者が暴れるのを防止するため、鎖を使うこともあったのである。

精神医療や精神障害の研究が進み、ここ20年くらいで、脳の機能の究明や、薬の使用、カウンセリングによる対症療法など、病気の捉え方が大きく変わってきている。

1.精神障害の原因は、従来、以下のように説明されてきた。

0507_1シニア活用

2.仕事に就く環境を支援する立場からみると、以下の分類が分かりやすい。

0507_2シニア活用

発達障害は、何らかの要因で中枢神経系に障害を持ち、先天的にコミュニケーション社会性、学習、注意力などに偏りや問題を持っている。
現実生活に困難をきたすが、根本的な病理は生涯続くものと理解し対応する要あり。
家庭での養育、学校や社会環境の問題で障害が起きるものではないという見解。
したがって、その特性を理解し、その上で出来ることを伸ばす方向の対応が必要。

発達障害支援法は、IQ70~85未満者が対象。虐待、いじめ、引きこもりの支援。
知的障害とは、知能検査によるIQ値が70未満なので、特別の対応が必要。
感情障害、については、誘因としてのストレスが大きくならない環境を維持できるよう支援する必要がある。
勤務時間が規制値を超えないよう余業規制、いつもと違う行動に注意、ストレス耐性を強める訓練指導、運動をさせる等の支援が必要。

したがって、先天的障害を持つ人の支援と、感情障害にならぬようにする支援とは考え方、進め方が、基本から違うことに留意しなければならない。

このように見てくると、結局、病気の原因をさかのぼり、病気の発生を抑える研究と体制づくりが最も大切ということであり、もう一方では、一人一人の個人が基礎的な病気を防衛するための鍛練を怠らないことである。

精神衛生に関することに絞れば、

・循環器系の事故防衛の研究   
・脳のメカニズムと修復・回復の研究
・認知症の予防、改善方策     
・うつ病の認知行動療法による改善
・うつ病の症状改善新薬の開発など

心理学を通して、組織の活性化に結びつく経営対応型の実践研究も、さまざまな方向でありそうである。