-第5回-前半労働(20歳~50歳)の考え方

前回コラムで人生100年を壮大に4つに分けた。

20-100

まず20歳までを「自己成長期」とし、
まだ仕事には関わらない時期だが、人間としての基礎を学ぶこと、それぞれの個性を成長させていく非常に重要な時期であることは、当然なことと理解していただいたと思う。
そこから50歳までを「前半労働期」、50歳から80歳までを「後半労働期」としたのは、
前半を「他人から仕事を教えられて、他人と一緒に仕事の目的を達成するために働き、他人の評価に従いながら、とはいっても充分やりがいのある仕事をし、組織や仕事を通じて社会に貢献する時期」と考えたものである。
そうして、そのあとの50歳以降は、他者のためではなく自分の「自己実現」を完成するために、次の30年を一区切りとすれば80歳くらいまで健康寿命を続けながら、自分らしい生き方・働き方を少しづつ積み上げていくという自己評価型の「後半人生」をそれぞれが作っていくのだ、という考え方を示したものである。

 そうすると、何と言っても一番重要な時期が「前半労働」であることは、間違いがないところである。
zenhan

このうち20歳前後から35歳くらいまでの前期に、入職した仕事のスキル、知識を身につけ、仕事を通じて自分を一人前の「仕事人」として成長させる「能力形成期」。35歳くらいから50歳くらいまでは、家族を作り一家の中心としての生活を維持する一方で、部下を持ち、組織の外との関係システムを通じて世の中に貢献している「業績貢献期」としての自覚と達成感を摑んでいることが望ましい。

 そこで、初めて自覚されることは、自分はどのような人生計画の上でこの仕事に就き、
これまでこのように努力をしてきたかについて、十分な動機を検討し、いろんな可能性を考えた上で選択と決断をしたのか、という反省や、後悔が限りなく現れてくることになるだろう。しかし残念ながらこのような「理想的なプロセス」を取れる人は実は少数であり、「仕事」の環境の変化、技術の進歩に対応するだけでも方も大変なことなので、普通には、起こっている現実を受け入れ、現在の仕事や、役割り、環境に前向きに対応し、楽しんで生活する工夫をする、一般的にはそれが「普通」なのである。

しかし、いま、このコラムの想定している人は、何らかの意味でそのような「普通」になれない状況にあり、どうすればよいかの「迷い」に入っている方であろうからこのまま天下泰平に収めることはできない。
 そこで改めて考えてみると、人間は現在地球上に70億人存在しているが、誰一人として同じ人はいない。一人しかいない「あなた」が、毎日、自分以外が経験するはずのない経験を積み上げているのである。第1段階の自己成長期に、人間として生育する間に経験したことが第2段階の「仕事」の中に生かされている筈で、今は、前半労働の後半に向かっているとして、同じように、前半にこれまで自分の上に刻印し詰め込んだ知識、スキル、人柄などが導く自分の「仕事」が、必ず見つけられるものだと、私は信じている。
 われわれキャリア・カウンセラーは、これを「興味、能力、価値観」と総括したりするが、
①あなたは何が好きで、何か熱中するようなものがありますか?
②これまでにした仕事で、人に負けないと思えるのはどんなことですか?
③生きていく中でこれは捨てられない、と思う大切にしているのはどんなことですか? ということになるだろうか。
 ③については自分の価値観なのでいろんな考えがあるが、この「気づき」を確かなものにすることで、「後半労働」に繋がる仕事、生き方、を決めていくことができるだろう。 
自分の経歴を書きだし、それをじっと内省する所から始めて、信頼できる人に尋ねてみたり、話し合ったたりする間に気づくこともあるかもしれない。時間をかけ、この機会に「自分を見つけ直す」ことが出来れば、それが一番の収穫だ。