-第4回-人の成長段階に応じて仕事の考え方が変わる

さて、人は「仕事」をする。「仕事」とは「するべきこと、しなければならないこと」であり、何か「仕事」をしなければ生活をしていくことが出来ない。そして、それぞれの個人の選択と決断によって「人」は「仕事」に就くとしても、時間の経過とともに「人」は段階的に成長し、仕事への考え方もそれに伴って変わってくるものである。

プレシニアの皆さんは、30歳から50歳台と想定しているので、人間の世代から行くと、
壮年であり、ユングの言う人生の半ばに居る「中年」の悲哀を感じている人たちである。
今、新たな「仕事」へのチャレンジをする機会に、人の全人生における「仕事」の意味、人と「仕事」の向き合い方、について、私の考えを紹介する。

現在人生80年時代などと言われているが、今の時点で将来を考えるとするなら、
私は、100歳までの人生を、仕事の関係において以下のように考えていきたいと思う。
仕事をする(働く)時期を、大きく前半と後半に分け、その違いを考えるのがポイント。
20-100

上記の人生100歳までの仕事を通じた働き方という視点を、プレシニアに適用してみると、前半労働の後半期にあって、自己の仕事を通じた組織への貢献の時期に居るわけだが、
組織への貢献を中断、または切り替えることを余儀なくされているので、次の後半労働期における「自己実現」とは自分にとって何か、について、この際、方向、目標をはっきりとして、その準備またはそれに繋がる就職を実現するように、最大限の努力をするという結論になる。

そこで、今度は「自己実現」とは何かということについて、皆さんは本気で真剣に取り組み、出来るだけ早くその考え方、方向を決めなければならない。
これまでの、終身雇用が前提というような働き方が出来なくなっているのにもかかわらず、
労働移動を円滑に進める労働市場が十分に機能するようになっていなくて、個人の方の準備もこれに対応できていない。
というのは、これまで会社依存で個人として仕事の選択をせず、仕事に対する自己理解が出来ていないので、そこには自己実現自体が、はっきりしていないということになる。

この問題について、これを掘り下げるコラムは別途準備するとして、まずよく考えるべきことは、
先の4つの発達段階の第1段、「自己形成期」に自分は何を考えていたのか、何が好きだったのか、どんな時に先生に褒められたのか、を思い返してみることである。
その次には、第4段、「自己解放期」に、自分はどのような生活をし、どのような終焉を望んでいるのかを考えてみることである。
そのような考え方を、行ったり来たりしている中に、「自分の自己実現」とは何か、への気づきが現れてくることと思う。