30代ビジネスマン諸君!30年後の働き方考えてる?②

30thkanban

2050年。今と変わっているもの変わっていないもの

sansho

-三上 このグラフを見ていただいて、2030年3人に1人が高齢者、社会保障給付費110兆円、不足分50兆円と社会保障制度は破たん寸前で出血多量になってる社会です。
2050年前後に我々が60歳になります。
その時には社会は変わっているし働き方も変わっていると思うのですが、その時に今と変わっているもの変わっていないものってなんだと思いますか?

-Sさん 変わっているものは社会構造が変わっているので、世界に見る日本の立ち位置っていうのは変わっていると思うんですよ。
かつてアメリカから日本が製造業を奪ったように、アジアにもうすでに奪われ始めてますよね。
高度経済成長が一世代で終わって、低成長、下降気味の経済の中で何かしら劇的に変えていかなくてはいけないと思いますね。

変わらないものでいうと「人」。人と人とのつながりが基になることは変わらないのでそこは変わってはいけないかな。
文化や価値観は変わるでしょうが、「人を幸せにした分が見返りとなる」というビジネスの根本は変えてはいけないと思います。

生き方は変わりますね。日本だけにいるという概念もなくなっていると思います。

-Mさん 日本は、先進諸国の中で一番最初に超高齢化社会がやってくるので、今までにない新しいものを生み出さなくてはならないと思います。
今までは欧米に追い付け追い越せで、欧米から技術やビジネス、制度などを輸入していた時代から、0から何かを生み出すことになるという大きな変化が来ると思いますね。
また来させないといけないと思います。

お金の稼ぎ方が変わる、給料も変わる

-Sさん 今までは労働の対価としてお金をもらうという中で経済が成長しているうちは、給料も上がったんでしょうけど、
高齢化社会が進む今、必要なのは経験とスペシャリティーです。
シニア世代の人間として成熟した人が金を稼いでいくには頭脳と文化のような知的財産で稼いでいくという時代になり、
お金の稼ぎ方が大きく変わると思います。

グローバル化が進むと、1/10のコストで同じ作業をやるアジアの人とは競争できないので、「作業」をしてお金を稼ぐことはもうできなくなる、という意味で稼ぎ方が変わるでしょうね。
「作業」と「仕事」の区別がついてない人が多いんです。
「作業」をすると仕事したと勘違いする人、そう評価する文化が変わるでしょうね。

つまり給料の形が変わると思います。基本給10万円であとは出来高みたいな。
そうしないと社会が停滞しますよ。
基本給30万がどんな働きぶりでも確保されているなら社会主義と同じです。
頑張らなくてもいい世界があるんです。構造的な問題で純粋な資本主義ではないですよ。
今でも成果で評価されるようになってきてますし、それが進むと思います。

-三上 アメリカのように資本主義がどんどん進んでいった社会は、格差が大きくなりますね。社長と平社員で給与格差が500倍のようなことが日本でも起こりうるという事でしょうか?

-Sさん そうなりますね。なっていいかはわかりませんが、避けられないでしょうね。
それを支えるのが社会保障だと思います。極端に食べれないというのは税金で賄うべきだと思いますけど、
生活できるギリギリの稼ぎの人とその500倍稼ぐ人の格差はあって当然かなと。

ただ資本主義の終わりも見えてきてると思います。
資本主義は経済の成長が前提だけど、今後アジア、アフリカ諸国の次の成長の余白がないですから。

働き方による複数のメニュー

-Mさん もう少し近い将来で考えると、もう少しいろんな働き方のメニューが必要だと思います。
とことん資本主義で給料を決めるというふうになった時、経験もスキルもスペシャリティーも持ち合わせた人はそれでいいと思いますが、
そうじゃない場合10万の固定給だけになって生活できない人が大量に出てくるということにもなってしまう。

また、第一線で働いてとんでもない高い給料もらうというのを望まない人もいると思います。
周りでサポートはするが、トップランナーで走るわけではない。
そんな役割の人のメニューがあってもいいのではないかと。

ただし、今まではそういう人も年功序列で給料が上がったけど、それはもう限界にきてますね。
その制度のままだと、一番給料をもらう世代の人数が一番多くなる時代になるわけですから。

そのときに一つの案として、
アウトプットだけを見て評価するメニューと
その人をサポートする役割で給料は上がらないが
そのかわり残業はせず、家族そろってご飯を食べます、というような働き方の選択ができるメニュー。
それが用意できるどうかじゃないですか。

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